こんにちは!
今回はほねほねが2021年度の順位戦A級まとめと名人戦 (80期) 挑戦者予想を書いてみます。
将棋に興味のある方の参考になればうれしいです。
名人戦とは
将棋界には竜王戦、名人戦、王位戦、王座戦、叡王戦、棋王戦、王将戦、棋聖戦の 8個のタイトル戦があります。その中でも序列が同率1位なのが竜王戦と名人戦です。
名人戦 (主催:朝日新聞社、毎日新聞社) はタイトル戦の中でも最も歴史が長く、通算5期保持すると永世名人の称号を得られます。
現在現役の棋士では、谷川浩司 十七世名人 (通算5期)、森内俊之 十八世名人 (通算8期)、羽生善治 十九世名人 (通算9期) がいらっしゃいます。
昔は名人は世襲制でしたが、1937年に木村義雄が初の実力制名人となりました。
名人戦に出場するためには順位戦を勝ち抜かなくてはなりません。
順位戦はA級、B級1組、B級2組、C級1組、C級2組があります。1年間かけてそれぞれの級で対局します。
まず、三段リーグを勝ちぬいて四段リーグ入りを果たした棋士はC級2組に配属されます。
C級2組で10局対局し、上位3位 (全勝が4人以上なら全勝者全員) がC級1組に昇級します。
C級1組でも10局対局し、上位3位 (全勝が4人以上なら全勝者全員) がB級2組に昇級します。
B級2組でも10局対局し、上位3位 (全勝が4人以上なら全勝者全員) がB級1組に昇級します。
B級1組では13人の棋士が総当たりで対戦し、上位2位がA級に昇級します。
A級では10人の棋士が総当たりで対戦し、1位の棋士が名人戦に挑戦することができます。
つまり、C級2組に配属されてから名人戦に挑戦するまでに最短で5年もかかります。
2021年9月12日時点で王位、棋聖の2冠を保持している藤井聡太二冠も毎年連続昇級を重ねていますがまだB級1組ということで、名人に挑戦するには長い道のりがあることが分かります。
また、多くの棋士はA級を経験することなく引退されるので、A級に在籍したことがあるというのも本当にすごいことです。
過去十年の名人戦
過去十年の名人戦の結果です。
- 2012年 森内俊之名人-羽生善治挑戦者 4勝2敗で森内名人が防衛 (通算7期)
- 2013年 森内俊之名人-羽生善治挑戦者 4勝1敗で森内名人が防衛 (通算8期)
- 2014年 森内俊之名人-羽生善治挑戦者 4勝0敗で羽生挑戦者が奪取 (通算8期)
- 2015年 羽生善治名人-行方尚史挑戦者 4勝1敗で羽生名人が防衛 (通算9期)
- 2016年 羽生善治名人-佐藤天彦挑戦者 4勝1敗で佐藤挑戦者が奪取 (通算1期)
- 2017年 佐藤天彦名人-稲葉陽挑戦者 4勝2敗で佐藤名人が防衛 (通算2期)
- 2018年 佐藤天彦名人-羽生善治挑戦者 4勝2敗で佐藤名人が防衛 (通算3期)
- 2019年 佐藤天彦名人-豊島将之挑戦者 4勝0敗で豊島挑戦者が奪取 (通算1期)
- 2020年 豊島将之名人-渡辺明挑戦者 4勝2敗で渡辺挑戦者が奪取 (通算1期)
- 2021年 渡辺明名人-斎藤慎太郎挑戦者 4勝1敗で渡辺名人が防衛 (通算2期)
https://www.shogi.or.jp/match/junni/でもっと過去の名人戦の結果を見ることができます。
第80期順位戦A級 2021年9月12日時点
では、順位戦A級の2021年9月12日時点での成績を見てみます。順位は前期の順位戦の結果から決められたものです。
- 斎藤慎太郎八段: 3勝0敗 (山崎八段、佐藤康九段、広瀬八段に勝利)
- 豊島将之竜王: 1勝1敗 (佐藤天九段に勝利、広瀬八段に敗戦)
- 広瀬章人八段: 1勝2敗 (豊島竜王に勝利、永瀬王座、斎藤八段に敗戦)
- 糸谷哲郎八段: 1勝1敗 (菅井八段に勝利、永瀬王座に敗戦)
- 菅井竜也八段: 2勝1敗 (羽生九段、佐藤天九段に勝利、糸谷八段に敗戦)
- 佐藤康光九段: 1勝2敗 (永瀬王座に勝利、羽生九段、斎藤八段に敗戦)
- 佐藤天彦九段: 1勝2敗 (山崎八段に勝利、豊島竜王、菅井八段に敗戦)
- 羽生善治九段: 1勝1敗 (佐藤康九段に勝利、菅井八段に敗戦)
- 永瀬拓矢王座: 2勝1敗 (広瀬八段、糸谷八段に勝利、佐藤康九段に敗戦)
- 山崎隆之八段: 0勝2敗 (斎藤八段、佐藤天九段に敗戦)
追記: 順位戦A級の2021年12月24日時点での成績を見てみます。
- 斎藤慎太郎八段: 6勝0敗 (山崎八段、佐藤康九段、広瀬八段、菅井八段、永瀬王座、佐藤天九段に勝利)
- 豊島将之九段: 3勝3敗 (佐藤天九段、羽生九段、永瀬王座に勝利、広瀬八段、佐藤康九段、糸谷八段に敗戦)
- 広瀬章人八段: 3勝3敗 (豊島九段、糸谷八段、佐藤康九段に勝利、永瀬王座、斎藤八段、佐藤天九段に敗戦)
- 糸谷哲郎八段: 4勝2敗 (菅井八段、山崎八段、羽生九段、豊島九段に勝利、永瀬王座、糸谷八段に敗戦)
- 菅井竜也八段: 2勝4敗 (羽生九段、佐藤天九段に勝利、糸谷八段、斎藤八段、山崎八段、永瀬王座に敗戦)
- 佐藤康光九段: 3勝3敗 (永瀬王座,、山崎八段、豊島九段に勝利、羽生九段、斎藤八段、広瀬八段に敗戦)
- 佐藤天彦九段: 3勝3敗 (山崎八段、羽生九段、広瀬八段に勝利、豊島九段、菅井八段、斎藤八段に敗戦)
- 羽生善治九段: 2勝4敗 (佐藤康九段、山崎八段に勝利、菅井八段、豊島九段、佐藤天九段、糸谷八段に敗戦)
- 永瀬拓矢王座: 3勝3敗 (広瀬八段、糸谷八段、菅井八段に勝利、佐藤康九段、豊島九段、斎藤八段に敗戦)
- 山崎隆之八段: 1勝5敗 (菅井八段に勝利、斎藤八段、佐藤天九段、糸谷八段、佐藤康九段、羽生九段に敗戦)
ほねほねは、羽生九段関連の記事も書いているので、是非見られて行ってください!
ほねほねによる第80期名人戦挑戦者予想
A級に在籍されている棋士はとても実力が拮抗していると思うので、予想は難しいですが、最近の対局成績から3人の棋士を予想させていただきました。
斎藤慎太郎八段
現在、唯一の無敗としてトップを走るのは「西の王子」との異名を持つ斎藤慎太郎八段 (28)です。
詰将棋が得意だそうで、終盤での正確な読みが光ります。
前期の第79期名人戦ではA級を制して、渡辺明名人への挑戦を果たしました。
終盤戦での逆転で先に1勝をあげましたが、その後4連敗で名人獲得はなりませんでした。
王座1期獲得の経験もあり、タイトル戦の経験も積まれています。残り6戦あるので先は長いですが、最も挑戦に近い棋士だと思います。
#ShogiLive 虹@大阪>第80期順位戦A級6回戦より、▲佐藤天彦九段(3勝2敗)-△斎藤慎太郎八段(5勝0敗)戦をお送りしております。戦型は矢倉調。佐藤天九段は5筋の歩を突かないという工夫を見せましたが、いまは角筋を通して攻め志向に。対する斎藤慎八段は守り重視の駒組みに進みそうです。 pic.twitter.com/Ba39pHm9Pe
— 日本将棋連盟モバイル【将棋連盟ライブ中継】 (@shogi_mobile) December 15, 2021
豊島将之竜王
豊島竜王は現在竜王、叡王の二冠を保持しています。通算6期のタイトル獲得経験があります。
2021年度は王位戦、叡王戦、そして竜王戦で藤井聡太二冠との対戦があり、過密スケジュールですが、順位戦でも前期は2位と強さを発揮しています。
王位戦は1勝4敗でタイトル獲得はなりませんでしたが、叡王戦は2勝2敗で最終戦へもつれる戦いを見せています。
序盤、中盤、終盤隙のない将棋で名人への復位なるか注目です。
12日(日)になりました。#NHKスペシャル
— NHKドキュメンタリー (@nhk_docudocu) December 11, 2021
「四冠誕生 藤井聡太 激闘200時間」
史上最年少で四冠達成した #藤井聡太。宿敵 #豊島将之 と激闘を繰り広げた“#19番勝負”。藤井と豊島が語る“究極の頭脳格闘技”の舞台裏。二人が紡いだ新たな盤上の物語。
[総合] 夜9:00https://t.co/4miNTb0xY6 pic.twitter.com/86cdSNtTZH
永瀬拓矢王座
永瀬王座は現在、木村一基九段との王座戦と平行しながら順位戦を戦っています。今年からA級に加入されました。
前期は最多対局賞を受賞されており、様々な棋戦で活躍されています。
竜王戦でも挑戦者決定戦まで進まれており、藤井聡太二冠に惜しくも敗れてしまいましたが、強さを発揮しています。
現在2勝1敗で同率2位につけておられ、努力家として知られる永瀬王座も挑戦者争いに絡んでくると予想します。
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まとめ
今回は2021年度の順位戦A級まとめと名人戦 (80期) 挑戦者予想をしてみました。
当然、A級に所属されているというだけで化け物じみた実力をお持ちの10人なので、だれが挑戦するかは本当に分かりません。
これから最終局まで対局を楽しみにしています!
ほねほねは他にも将棋の記事である
(参照) https://www.shogi.or.jp/match/junni/2021/80a/index.html
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